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第三回「SWASH製作グッズ秘話」

勉強会や実態調査から蓄積された情報を元に

1999年から活動してきたSWASHは、はじめの5、6年くらいは、風俗嬢のSTI(性感染症)勉強会や実態調査、社会啓発活動などをしていました。その間に蓄積された、風俗嬢のためのSTI予防の知識や知恵、当事者の経験を、2006年に初めて形にしたのが「はたらきかたマニュアル」でした。この冊子は、目で見てわかるSTIの男性器・女性器写真図鑑のような体裁になっていて、症状がある場合の性器についてわかりやすく解説しています。

また、STIかもしれないお客様に生フェラをしたくない場合、みんなどうしているかについて、当事者の声やアドバイスを紹介したページもあり、これらはすべて、風俗嬢アンケート調査や当事者同士の勉強会で得られた、働くみんなの知識や知恵に基づいています。

このようなセックスワーカー向けのSTI予防啓発冊子は今までなかったので、当事者たちに関心を持って見てもらえました。しかし、リアルなSTI性器写真が載っていることから、中にはひいてしまう人もいて、刺激的すぎるという声もありました。

2011年に発行した改訂版では、トランスジェンダーセックスワーカー、ニューハーフヘルス嬢の調査結果やセクシュアルヘルスなどの安全情報コラム、セックスワーカーのエッセイを載せ、ボリュームアップしました。待機室など、お店に置いてもらって、女の子に読んでもらえたらと思っていました。しかし、実際の配布状況はわからず、セックスワーカーの手にちゃんと行き届いているのか確証がないのが壁でした。

女の子に見てもらうためには?お店にも貢献できるグッズに

こうした悩みを突破するために、次に考えたのが、お客様に喜んでもらえる知識がつき、かつ働く人にも安全な体位やセーファーサービスを紹介したパンフレットでした。風俗店にパンフレットを届けに行く時、STI予防のパンフレットと説明するより、お客様の満足度に貢献できる内容のパンフレットであることを説明できれば、ちゃんとお店の女の子たちに渡してもらえるのではないかと考えたのです。

そして2013年に作ったのが「完全はたらきかたマニュアル」(日英韓中の4か国語)です。パンフレットでは、32体位のおすすめセーファーサービスや、性感染症予防についての知識が紹介されているだけでなく、メンタルヘルスや、借金で悩んでいる時の解決策について弁護士が回答するQ&A集も載っていて、ニーズの対応が幅広くなっています。

実際に、この新しい「完全はたらきかたマニュアル」を風俗店に持っていくと、従来のパンフレットと比べて、お店の方々の反応が変わりました。これなら、お店の女の子たちに見せてみようと思ってくれる店長さんは以前よりは増えると思っています。

この他、2012年には、お客様向けのSTI予防啓発ボールペン「ひっぱるペン」というのを5000本作りました。このボールペンの中には、HIV/STI無料検査ができる保健所一覧が載っている紙が丸めてしこんであり、その紙をひっぱると、啓発内容などが読めます。このボールペンを、風俗店の待合室に置いてもらって、お客様に自由に取っていってもらうようにしました。街頭でも配布してみたところ、すぐになくなってしまうくらい、みんなもらってくれるので、この「ひっぱるペン」は情報伝達ツールとして役に立っていると思います。STI感染を心配するお客様がいたら、さりげなくこのペンを渡すというのにも使えると思います。

これからもSWASHは、セックスワーカーのためになるグッズを開発していきたいので、「こんなのがあったらいいのに」と思うものがあったらぜひご意見お寄せくださいね!

完全はたらきかたマニュアル

安全なサービスの仕方をわかりやすく図解入りで紹介しています。

STI予防啓発ボールペン

お客様向けに作った「STI予防啓発ボールペン」は街頭配布でも注目度が高め。