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世界保健機関(WHO)国連合同エイズ計画(UNAIDS)後援「女性とエイズに関する世界連合」(GCWA)ニュースレター第3号

女性に対する暴力とHIV/エイズ―深刻な交差
セックスワーカーに対する暴力とHIV感染予防

なぜセックスワーカーに対する暴力とHIVに焦点を当てるのか
「パスポートがないからつかまるんです。……写真を撮られ、お金を要求されます。お金がないと、やつら(警官)は無償奉仕(無防備の無償のセックス)を求めるんです。……いつもそう。さからったら、げんこつで殴られます。ひどいもんです。……一度など私の髪をつかんで車に引っぱり込み、言うんです。誰かにしゃべったら、薬を打つぞって」
(セックスワーカー、22歳、中央アジア)

 セックスワーカーは今日の世界で最もHIVに感染しやすい集団に含まれる。インド、インドネシア、カンボジア、ロシアなどHIV感染率が低い国でHIV感染が最初に急速に広がるのがセックスワーカーであり、セックスワーカーの65%が感染している国もある。サハラ以南アフリカ諸国など、エイズが蔓延している国でも、セックスワーカーの感染率は過度に高く、カメルーンのヤウンデで30%、ケニヤのキスムでは75%にもなると推定されている。
 セックスワーカーのHIV感染率を高めている要因はいくつかある。多くのセックスワーカーは移住者であり、1つの国にとどまるとは限らないため、標準的なアウトリーチサービスや医療サービスを受けるのが難しい。サービスや情報を得るのに文化的・社会的・法的・言語的障害がある。同じく重要なことに、多くのセックスワーカーは街頭で、仕事中に、あるいは私生活において暴力を受け、そのためにHIVに感染したり、健康を害したりすることが多くなる。たとえばバングラデシュ、ナミビア、インドなどでの調査によると、多くのセックスワーカー、特に街娼は殴られたり、武器で脅されたり、むちで打たれたり、首を絞められたり、強姦されたり、セックスを強要されたりしている。
 暴力はセックスワーカーに対するスティグマと差別の現れである。いずれの社会においてもセックスワークは悪行の烙印を押され、セックスワーカーは非難され、レッテルを貼られ、反感を買い、差別的扱いを受けることが多い。売春法と法執行機関がセックスワーカーに対する暴力に大きく関与している。ほとんどの国では、セックスワークは違法であるか、法的位置づけが曖昧である(たとえば、売春は違法でなくとも、セックスワーカーの周旋や公然たる客引きは違法とされる)。したがって、セックスワーカーは複数の理由で嫌がらせや暴力の格好の標的とみなされやすい。セックスワーカーは道徳に反し、罰せられて当然と思われている。セックスワークが犯罪化されているがゆえに、セックスワーカーに対する暴力が黙認され、彼女たちが暴力から保護されない状況が生まれている。多くのセックスワーカーが暴力を「普通のこと」あるいは「仕事の一部」と考え、自分たちの権利について知らない。その結果、強姦、殺人未遂(あるいは殺人)、殴打、性的嫌がらせや性的虐待があっても法執行機関に届け出ないことが多い。届け出たとしても取り上げられないことが多い。たとえばバンクーバー(カナダ)とニューヨークの街娼を対象にした調査によれば、嫌がらせ、虐待、強姦、拉致、殺人の大半は警察に通報されていない。届け出があっても警察は訴えを正式に取り上げないし、まれに取り上げた場合でも、加害者の多くは有罪にならない。

<コラム>
問題の大きさ
 バングラデシュの全国HIV調査(1999~2000年)によれば、街娼の52~60%が調査前12カ月間に制服警官に強姦され、41~51%が地域の犯罪者に強姦されていた。
 ナミビアでは、インタビュー調査したセックスワーカー148人のうち78%が虐待を受けていた。約16%は親密なパートナーから、18%は客から、9%は警察官から虐待を受けていた。
 インドでは、調査したセックスワーカーの70%が警察官に殴られ、80%以上が証拠もなく逮捕されていた。

 自らの意思でセックスワークに従事している女性もいるが、人身取引などによってセックスワークを強要されている者もいる。後者の場合、身を売られてセックスワークに就かされる過程で、また就かされた後も身体的暴力や性的暴力を受けることが多い。とはいえ、人身取引および取引された女性に対する暴力は、移住という背景を考慮してもっと広くとらえ、セックスワークとは切り離して検討する必要がある。同時に、一部の国では、性風俗店舗への警察の手入れなどがセックスワーカーに対する暴力を助長し、セックスワーカーの安全を損なっていることにも留意すべきである。たとえばインドネシアとインドの調査によれば、警察の手入れで逮捕されたセックスワーカーは殴られたり、腐敗した警察官から釈放と引き換えにセックスを強要されたり、性的に搾取されるか身体的に虐待される施設に留置されたりしている。警察の手入れはセックスワーカーを街頭に押し出すことにもなり、そこではいっそう暴力を受けやすい。

セックスワーカーに対する暴力とHIV/エイズはどこで、どう交差するのか
 性交渉によるHIV感染のリスクはすでに実証されている。セックスワーカーがコンドームやHIV感染予防情報、性に関する医療サービスを得られない場合、あるいは何らかの理由で自らの健康を守ることやコンドームの使用が許されない場合、HIV感染のリスクが高まる。暴力は、セックスワーカーがHIV感染から身を守り、性に関して健康な状態を維持できるかどうかに直接・間接に影響する。危険性の高い行為をする者による強姦(常習的な強姦、輪姦)は、膣の外傷・裂傷によるHIV感染のリスクを直接的に高めかねない。
 性風俗店舗の経営者、マネージャー、客、親密なパートナー、法執行機関、地元の仲介者などによる複雑な「ゲートキーパー」網にセックスワーカーは取り囲まれ、多くの場合、そうしたゲートキーパーがセックスワーカーの日常生活をコントロールしている。たとえばコントロールの手段として、セックスワーカーのサービス料を決定したり、セックスワーカーは特定の客を相手にすべきか、さらにはコンドームの使用を要求できるのかどうかを指示したりする。借金や感情操作といった巧妙な手段や、性的・身体的暴力の脅し、実際に暴力を振るう、物理的孤立、法執行機関に引き渡すぞという脅し、麻薬やアルコールを強要するといったあからさまな手段でコントロールするゲートキーパーもいる。
 警察官が売春禁止法を盾に、セックスワーカーに嫌がらせをし、脅し、逮捕し、殴り、セックスを強要することもある。たとえばパプアニューギニアでは、HIV感染予防プロジェクトに参加したセックスワーカーから、警察官による集団強姦や嫌がらせは、自分たちがより安全にセックスワークに従事する能力を損なう深刻な問題であることが報告された。カザフスタンでは、警察官は日常的にセックスワーカーを逮捕し、殴りつけ、賄賂として金銭や性的サービスを要求することも多い。
 また、親密なパートナーや客が身体的・性的暴力を働いた場合、より安全なセックスを話し合いで求めることは難しいとセックスワークは感じている。たとえば、カンボジアのベトナム人セックスワーカーを対象にした調査では、回答者の30%が、コンドームをつけたがらない客にセックスを強要されていた。
 セックスワークは性感染症・HIV/エイズ関連サービスを受けられないことが多い。理由はさまざまだが、暴力や暴力の恐れ、差別が一因ではある。よく知られていることだが、米国の警察は名高いセックスワーク地区で日常的に「掃討作戦」(つまり全員逮捕)を行い、コンドームを押収している。しかしこれは、公衆衛生促進の取り組みを妨げている。たとえば、コンドームの所持は売春する意思の表れとされ、それを理由に逮捕されるので、セックスワーカーはコンドームを携帯しなくなる。医療サービスはセックスワーカーに非情であることが多く、セックスワーカーを非難し、彼女たちの健康問題を扱うことを拒否し、HIV検査を強制して陽性か陰性かを明かし、それを当局に通知するぞと脅している。たとえば、ロシアとインドのセックスワーカーは病院や診療所で冷たくあしらわれ、セックスワーカーと知られている場合は必要以上に診察を待たされ、HIV検査を受けることに同意しない限り治療を拒否されたと訴えている。そのため、多くのセックスワーカーは医療サービスを受けることに消極的になった。
 エイズの蔓延がセックスワーカーに対するスティグマと差別を助長してきた。つまり、HIVを社会に拡散させているのはセックスワーカーだと非難されことが多い。暴力とエイズ絡みのスティグマや差別が重なることもセックスワーカーを精神的に傷つけ、HIV感染予防の取り組みを後退させている。暴力があり、自分の生活をコントロールできない状況にある以上、セックスワーカーは自分の健康上のニーズや行動を変えることより、安全と生存のためにより差し迫った問題を優先させるかもしれない。セックスワーカー対象のプログラムをみても、セックスワーカーにとっては、健康を維持しHIV感染を予防することより、警察官の暴力や日常的嫌がらせへの対処のほうが重要であることがわかる。多くのセックスワーカーは自尊心が低く、精神的ストレスを感じ、暴力を受け逮捕を恐れて暮らすなかでうつ状態になっている。そうした状態をどうにかするためにアルコールや麻薬に頼る者もいる。アルコールや麻薬の使用は暴力、自分に対するコントロールの欠如、HIVリスクと結びついている。
 一部の国、特に東欧と中央アジアの国々では、麻薬を使用するセックスワーカーが増えており、彼女たちは麻薬を常用するためにセックスワークをしている。麻薬を使用しながら売春する者たちの間では、無防備なセックスと注射針の共用による二重のリスクゆえにHIV感染が急速に増えている。暴力、麻薬常用者の犯罪化、法執行機関の嫌がらせ(危害軽減プロジェクトの中止など)もセックスワーカーにとってリスクと脆弱性を高めており、自らを守ることができていない。パナマ市ではセックスワーカーの約13%が仕事中に強姦されており、麻薬使用者に限るとこの割合は41%にもなる。ニューヨーク市で行われた調査によると、麻薬を使用していた街娼は使用していない街娼より身体的・性的暴力を受けることが多い。麻薬の共有・売買をめぐる争いや、麻薬の影響下で生じる対立によって、セックスワーカーは潜在的に暴力的な状況(麻薬常用者のたまり場など)、人(麻薬密売人など)、行為(窃盗など)にさらされるからだ。そうした状況、人、行為が麻薬常用者への暴力の原因となっている。

セックスワーカーに対する暴力に対処するためにHIV/エイズプログラムにはどのような機会があるのか
 セックスワーカーを対象とした効果的なHIV感染予防政策・プログラムに暴力防止戦略を組み込まねばならないという認識が広がりつつある。セックスワーカーにより安全なセックスワークを促す介入を、彼女たちの安全を保障し、健康と福祉をより広い意味で増進し、人権を守る全般的な取り組みの一環としなければならない。すべてのセックスワーカーが自分を被害者、被抑圧者、被搾取者と見ているわけではないことも認識しておく必要がある。それどころか、自分自身の生活をコントロールし、問題解決の方法を見つけ、個人および集団のために行動し、HIV/エイズとの闘いに貢献しているセックスワーカーも多い。セックスワークへの介入で最も成果をあげている事例のなかにはセックスワーカー自身の取り組みもあり、セックスワーカーが自分たちの安全のために力を合わせている。そうしたアプローチはHIVリスク軽減と暴力防止を、労働安全衛生、労働条件の改善、労働権の確保というより広範な文脈で捉えてもいる。

セックスワーカー対象の介入
 セックスワーカーが受ける暴力の軽減に向けたプログラムがさまざまなレベルで実施されてきた。個人のレベルでは、暴力軽減の取り組みは、安全について助言し、街頭および店舗で働くセックスワーカーの法的・市民的権利を認識させる教育資料の作成に重点をおいてきた。たとえば、欧州4カ国の移住セックスワーカーを支援するTAMPEPや南アフリカの支援団体SWEATは、暴力防止・軽減の方法や警察の手入れがあった際の法的権利について資料を作成し、セックスワーカーに教育を行い、助言を与えてきた。そのほか、自衛策について教え、虐待を受けた際に身を守れるよう警報器や抑止スプレーを配布するプログラムもある。
 コミュニティレベルで暴力や抑圧を軽減するために、セックスワーカーの結束を図って市民的権利と人権を守ろうとする取り組みもある。たとえばインドのソナガチ・プロジェクトでは、セックスワーカーに対する暴力や不公正と闘う1つの方法として、セックスワーカーを集めてグループ編成し、連帯を強めている。セックスワーカーが潜在的に暴力的な客や事例を同僚に知らせる「嫌な相手」警告システムをつくったプログラムもある。そうしたシステムによってセックスワーカーは危険な客を避けることができる。またセックスワーカーは暴力事例の報告を求められ、提供されるサービスに関心を寄せるようになり、プログラムの信頼性が高まる。仲間同士で学び合うピア・エデュケーションや法執行機関の意識向上を図るワークショップを行うプログラムもある。こうした取り組みは法執行機関を対話に巻き込んで警察の暴力とプロジェクト介入を減らし、またセックスワーカーが訴えた暴力事例を警察に真剣に受け止めてもらおうとしてきた。
 政策レベルでは、暴力軽減・防止の取り組みは権利の擁護に重点がおかれてきた。権利擁護団体との接触、さまざまな場で自分たちの状況について声をあげるセックスワーカーの国内・国際ネットワークの形成、抑圧的な法律や政策の改正に向けた政策決定者との対話、セックスワークに対する意識の変革に向けたメディアとの連携もその一環である。たとえばアルゼンチンでは、セックスワーカーが独自の組合をつくったり、既存の労働組合に加入したりして、健康、安全、契約で保障された権利、セックスワークの非犯罪化を含め、労働条件の改善を求めている。こうした労働組合は、セックスワークを正当な有償労働と認め、広義の労働闘争の対象に含めるよう働きかけている。

<コラム>
賢く働く―南アフリカのセックスワーカーの権利・健康・安全ハンドブック
SWEAT作成
 セックスワーカー教育・権利擁護委員会(SWEAT)は南アフリカのケープタウンに本拠をおき、セックスワーカーの権利、健康、安全のためにサービスを提供し、発言している。セックスワーカーを対象に法律と暴力に関するワークショップを何度か開いてきた。2002年には、南アフリカの売春関連法とセックスワーカーの人権についてイラスト入りハンドブックを作成した。これを見ると、セックスワーカーは警察にどう対応すればよいかがわかる。また、危険な場面やそこから逃れる方法、緊急時の連絡先電話番号一覧も掲載されており、セックスワーカーはつねに携帯するとよい。ハンドブックは英語、アフリカーンス語、コーサ語(いずれも南アフリカで使われている言語)で発行されている。
逮捕された者の権利
金曜日 土曜日 日曜日 月曜日
自分の身を守る
出所)SWEAT (http://www.sweat.org.za)

結び
 セックスワーカーに対する暴力が広がっているだけでなく、暴力を振るい、暴力を正当化し、容認している者も多い。場合によっては法執行機関や売春法はセックスワーカーを保護するどころか、暴力の危険を増大させている。セックスワーカーの管理者、客、家族、親密なパートナーが暴力を振るうこともある。暴力はHIV感染予防の取り組みを妨げ、いくつかの点でセックスワーカーのHIV感染を助長している。
 強姦、特に危険度の高い者による強姦は、力ずくの性交による膣の外傷・裂傷によってHIVに感染したり、他の性感染症に感染したりする危険を直接高めることになりかねない。
 脅しや暴力でセックスワーカーにもっと多くの客をとらせたり、コンドームの使用を認めなかったりする管理者もいる。
 セックスワーカー、特に街娼は逮捕や嫌がらせを逃れるため、刑務所から釈放してもらうため、あるいは強制送還されないために法執行当機関と取引して、無防備な性交渉に無償で応じざるを得ないことがある。
 セックスワーカー向け支援サービス提供者に対する法執行当機関の嫌がらせによって、セックスワーカーは危険防止に関する情報やサービスが得られないことがある。
 セックスワーカーは客や親密なパートナーから暴力を受けることがあり、より安全なセックスについて話し合うことができない。
 セックスワーカーは、医療提供者から嫌悪され、不当に扱われて、HIV/エイズ関連サービスを利用できないことがある。
 麻薬を常用しているセックスワーカー、あるいは売春する麻薬常用者は安全でない注射針と無防備なセックスにより二重の危険がある。麻薬の売買や共有に絡んだ暴力が増える恐れもあり、自分の身を守る能力がさらに弱まる。
 暴力につねに脅かされたり、実際に暴力を受けていたりすると、セックスワーカーは不安を感じ、うつ状態になり、自尊心を失いかねず、状況によっては健康やHIV感染予防より、安全と生存のために差し迫った問題を優先させるかもしれない。
 WHO「セックスワーク・ツールキット―当事者コミュニティの形成」で提言されたように、HIV感染予防への介入は実践的な戦略を採用して、セックスワーカーに対する暴力を減らすべきである。このツールキットには次のような提言が盛り込まれている。
 セックスワーカーの法的権利や、暴力を防止し、減らし、対応する方法について教材や資料を作成する。
 暴力や差別に対応するために、セックスワーカーが結束して行動することを支援する。
 潜在的に暴力的な客や事例をセックスワーカー同士が知らせ合う「嫌な相手」警告システムを構築する。
 危険防止・支援プログラムへの嫌がらせや干渉を減らすために、警察や法執行機関と共に意識向上ワークショップを実施する。
 セックスワーカーの人権擁護に向けて提言活動を行う。
 HIV感染予防への介入はセックスワーカーに対する暴力に対処し、人権アプローチに基づくものでなければならない。そうした介入においては、性に関する健康への責任はセックスワーカー本人にあるのはもちろんだが、客、第三者、政府、社会にも責任がある。セックスワーカーの健康と人権はそれ自体が正当な目的とされなければならない。セックスワーカーが抱えるHIV/エイズ問題に対処するには、セックスワーカーが社会の周辺に追いやられている状況に対処するとともに、健康問題を重視した取り組みが必要である。

<コラム>
パプアニューギニアの警察への介入活動
 パプアニューギニアでは、警察官による強姦や嫌がらせが、HIV感染予防への介入対象とされたセックスワーカーにとって深刻な問題であることが確認された。集団で強姦されると安全なセックスはできないと、セックスワーカーは訴えている。警察に顔を知られているセックスワーカーが車や飲み屋から連れ出され、あるいは街頭にいたところ、警察車に乗れと命じられ、警察署や警察官宿舎、あるいは誰も住んでいない所へ連れて行かれ、そこで複数の警官に強姦されている。
 こうした集団強姦を減らすために、警察官を対象とした介入がいくつかの戦略を用いて行われた。まず、警察官が互いに教育しあうことを目指して研修が実施され、集団強姦によってHIV感染がいかに急速に広がるかを示した図表や事例が提示された。また、集団強姦を取り上げた漫画本『ヒトゥン・ラン』が作成された。HIV陰性のセックスワーカーが多数の警察官にセックスを強要され、その後、気がついたら、その警察官らがHIV陽性になっていたというストーリーだ。これはセックスワーカーを責めるのではなく、先にやった男の精液からHIVに感染する可能性があることを示そうとしている。
 この介入全般の効果を評価したところ、介入前は警察官の10%が前の週に集団強姦に加わっていたが、介入後は4.2%に減っていた。

謝辞
 本稿は、WHOのジェンダー・女性・健康局(GWH)とHIV/エイズ局の協力を得て、GWHのアブニ・アミン、国際HIV/エイズアライアンスのシェリル・オーベル、ディファレント・アベニューズのペネロープ・ソーンダースが作成した。