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「アメリカ、タイ政府はセックスワーカーをスケープゴートにするな」(2015年3月2日付・バンコクポスト)

タイのセックスワーカー支援団体Empower Foundation代表のノイさんと、Empowerチェンマイ支部のリズさんがバンコクポストに寄稿した記事(翻訳)を紹介します。
(新聞記事URL)
http://www.bangkokpost.com/opinion/opinion/486141/us-thailand-must-end-s...

「アメリカ、タイ政府はセックスワーカーをスケープゴートにするな」

この10年以上毎年タイは、アメリカの人身売買年次報告書において、「タイはアメリカの人身売買政策の言う通りにしていない」、「タイの入国管理/取り締まりはまだまだ足りない」など、文句を言われ続けています。

タイの国が性産業における人身売買撲滅のためにやっていることと言えば、毎年数百人(そのほとんどが若い女性たち)を拘束して、人身売買被害者として強制送還することです。

毎年、人身売買をなくすための風俗摘発という繰り返されるお決まりの発表を私たちは聞き続けていますが、問題は続くだけです。

移住労働問題や人身売買対策の失策に代わる新たな方法を国は考えるべきです。拘留や強制送還といった処罰ではなく、よりましな生活を求めて人々がどのようにして出身国での困難から逃れようとしてきているのか、権力者たちは熟考すべきです。彼ら/彼女たちがどこから来てどのような仕事をしているかが問題ではなく、移住労働者が搾取されるのを最小限にする、より人道的な解決と、すべての労働者にとっての労働問題が解決するような方法が見つけられるべきです。

今年、ある女性の死がありました。彼女は閉じられたトラックの中、97人以上の人々が詰め込まれた状態で押しつぶされました。ミャンマーからの危険な旅路は、人身売買パトロールの監視を避ける必要性によって、一層劣悪なものになったのです。私たちは彼女の名前も何も知らないけど、彼女がよりましな生活を望んで、自国から逃れようとしたのだと思います。

現在においては虐げられた人々を意図した法律の下、仕事を見つけたり移動したりするのは難しくなっています。それには時間と金と膨大な書類の準備が求められます。出生証明書、身分証、銀行口座の証明書、仕事の依頼証明か招待状などなどの準備が必要です。たとえ法があっても、断られようが搾取されようがノーギャラで保証はありません。母国での劣悪な状況から逃れようとする人々はしばしば、法の求める正しい手順を得る機会や時間、ドキュメントを持っていません。

彼らにとってプロ―カーにお金を払うことは、ワンストップサービスセンターに行くようなものなのです。そうすることはより早く、断られることもなく、書類の準備も必要ありません。現在の入管政策において、劣悪な状況から逃れようとする人々は、少しの選択肢があるものの、それはブローカーについてのリスクをとることです。

よりよい生活のために国境を超えて移動する人々を取り締まるための法律や裁きは決して使えません。人々が暴力や自然災害や貧困などによる様々な困難から自由になるために必要なことは裁きではなくサポートです。

すべての人々は人道的支援を受けられるようになるべきです。先月、SUPHAN Bari州で救助が行われました。14才の少女から12月1日に財団法人のホットラインに電話がきて、彼女と彼女の15才の姉がカラオケバーで強制労働させられているから助けてほしいというのです。

救助までに6週間を要しました。暴力と強制労働に耐え続けながら自由を待つのはとても長い時間です。6週間が経過した今、彼女は取り調べを受けたりほかにも屈辱経なければいけないでしょう。ほかの70人の女性たちもこの“救助”を求めているか否かに関わらず同じく逮捕されました。

軍事政権は人身売買に影響される人々に人道支援を確保できました。SUPHAN Bari州での摘発では、例えば、“証人”として見做されている70人の女性たちは、いま警察に収監されたり手ぶらで強制送還させられていますが、証人保護法によって守られて補償を受けるようにするべきです。

売春防止法に違反し政府のシェルターに入れられるこのような女性たちは、政府の福祉報告書でも書いているように、彼女たちのほとんどは脱出したいと思っていて、何人かは脱出しようとします。

拘置所にいることを選んだ証人たちには職業訓練が与えられます。これはセックスワークを辞めることを助けるための方法とされていますが、収入の見通しもなく、ほとんどの人は拘留期間の終わりとともにセックスワークに戻っていきます。

軍隊は自然災害の犠牲者を助けることの専門性については誇りを持っています。もし軍隊が上述したような人々を直接見たら、あるいは人身売買ような同じような結果として人々を見ることができたら、自然災害の犠牲者を助けるのと同じように助け、すべての人々の生活改善の長期的解決の方策を打ち立てられるかもしれません。

アメリカの反人身売買行動計画について言えば、問題の根っこは、売春の廃絶を求めていることが問題です。タイでは、1960年の売春防止法制定から始まり、売春一掃の企てがたくさん行われてきています。

しかしながら実際にはセックスワーカーたちは、売春防止法が機能しているということをみせるために逮捕されたりスケープゴートになっています。それは反人身売買法についても同じことです。

強制的にセックスワークをさせられている人たちは救助を得るべきである一方、自主的にセックスワークをする人は人権が守られるべきです。

同じく重要なことは、TIPレポートという切り札を発行する“アメリカの校長先生(お偉いさん?)”は、人々の生活や人生のリアリティをよく理解してレポートを作るべきです。

アメリカの人身売買政策の影響を受ける人々の安全と幸せ、権利を、アメリカは守るべきです。